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中山大学

現地調査日:2007/11/23
最終更新日:2007/11/24



6.コメント

以下、06/11/15執筆
●中国民主革命の父、孫文が1924年に創設した大学。華南地区の最高学府である。

●外国人に対する中国語教育は1981年に開始し、25年の歴史と、豊富なノウハウを持ち、教師陣の多くは海外で教えた経験を持つ。

●この大学の留学生部は多くの特長を持つ。第一に数多くの国から留学生が集まっている。06年秋学期の留学生出身国は実に99ヶ国に上る。つまり、世界中の約半数の国から留学生が集まっているのだ。

●第二にクラスのレベル分けが多いことが挙げられる。今学期は10レベルに分けられている。小規模の大学に比べると、自分のレベルにあったクラスを選びやすいことは非常に大きなメリットである。使用テキストが分からないため、例えば初級1〜4の4つのレベルが具体的にどのように違うかを判断できないのは残念な点。

●第三に選択科目が豊富に用意されていること。今期は12科目が用意されている。選択科目の数を増やすのは簡単なことだが、この大学の場合は、その内容も注目に値する。太極拳など趣味的なものは2科目だけで、大半は教学系。さらに商務漢語を3レベル、広東語とHSKはそれぞれ2レベルに分けている。これは非常にめずらしい事例であり、多くの留学生が自分の好みに、そして自分のレベルに合った講座を選ぶことができる。

●第四に中国人学生との交流の機会を積極的に作っていることである。具体的には、中山大学外国語学部の学生が組織する国際交流協会と協力し、毎週1回夜に文化講座を開いている。この講座の形式は非常にユニークで、例えば中国映画がテーマであれば、俳優などを講師として招き、前半は講義を行う。そして後半はそれを元に中国人学生と留学生が話し合うというものである。中国人学生との交流は留学当初は盛んに行われ、中国人学生も積極的に参加するが、徐々に盛り上がりを欠き参加者も減ってくる。その大きな原因が話題となるネタに行き詰ることにある。この大学ではそういった問題点を大学自身が主導して解決しようとしている。

●唯一、残念な点を挙げるとすれば1クラスの人数が25人と多いことである。大規模大学では得てして授業が進むにしたがって出席者が減る傾向にあるので、実際の出席者は10数人と思われる。ただ最近では1クラス人数が15人程度の大学が多いので、今後の検討を期待したい。

●日本人留学生は一般に大規模大学を避ける傾向がある。確かに人数が多いだけで内容が乏しい大学も多い。しかし、この大学についていうならば、上述したこの大学の特徴は、どれも大規模校であるから可能となる取組みばかりである。小規模校ではこのような内容を期待することは不可能に近い。この大学のように大規模校の強みを活かしている大学であれば、留学先として十分に検討に値すると言えよう。

以下、07/11/24加筆
●2人部屋専用の新しい寮が設けられた。新築ではなく用途変更したもの。

●07年秋学期から語言本科に商務漢語コースが設置された。


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